「磯でヒラスズキを釣るとき、どんな装備でいってるの?」
「磯にカメラを持っていくとき、どうやって持って行ってるの?」
そんなコアな需要に応えるべく、現在、僕が和歌山南紀エリアの冬磯でヒラスズキを釣り、写真撮影までを行う装備(ウェア・タックル・ギア・撮影機材)についてまとめてみました。
本記事の流れ
自分の装備をズラーっと並べただけではあまり参考にならないと思うので、「なぜこの装備にしているのか」というバックグラウンドも併せて記載することにしました。
ということで、話の流れとしては、
- 目的はなにか
- 想定するシチュエーションはどういったものか
- その中でどんな釣り・撮影をしたいのか
- それ実現するためにどんなアイテムを選んでいるのか
という形式にします。
目的:磯ヒラと撮影を両立する
今回考えたい装備は、
- ヒラスズキを釣り、
- 海の風景や魚を写真におさめる
という2つの目的を同時に達成できるものである必要があります。
つまりは磯ヒラ師+カメラマンの装備が必要ということです。
比率でいうと、磯ヒラ師が8割・カメラマンが2割程度の比率でやってます。
感覚的な話ですが、カメラの比率を大きくすると、安全性を確保するのが難しくなるし、なにより磯ヒラ釣るの大好きだから釣り優先。
では、この目的を達成する中で、想定すべきシチュエーションとはどんなものか、次にこれを決めます。
もしものために過酷なシチュエーションを想定
- デイゲーム(朝イチ~夕暮れ)
- 波高2m前後
- 風速15m前後の北西風
- 雨
- 平均気温約5度
- 足場は0~7m
冬の南紀地磯でヒラスズキを釣るにあたり、かなり過酷なシチュエーションを想定しています。
風波の強さ的に、積極的に磯にいくべき条件ではないですが、釣りの最中に天候が急変し、意図せずこういうシチュエーションになってしまうこともあるでしょう。
そんなイレギュラーな時にも対応できるようにする為、なるべく過酷なシチュエーションを想定し、装備を組んでいます。
念のため補足しておくと、荒れまくってる磯でヒラスズキを釣ることを推奨してる訳ではないです。
そもそも、荒れれば荒れるほど釣果が上がるというものでもないですし。
安全性・防寒性・防水性を大事にシステムを
↑のようなシチュエーションの中で釣りをするにあたって大事にしている要素は「安全性」「防寒性」「防水性」です。
安全性
言うまでもない最優先事項。
自然相手なので100%安全ってことは無いですが、可能な限り対策をします。ここをおそろかにした結果、釣りできなくなるのイヤですし。
そのため、怪我をしない・海に落ちないといった事故防止策に加え、怪我をしてしまった・海に落ちてしまったといった、事故発生後の対策をしておく必要があります。
防寒性
冬場の磯でヒラスズキを釣るには、下記3種の「寒さ」に対応する必要があります。
- 低気温・強風による「寒さ」
- 運動(磯歩き)と静止(釣り・撮影)を繰り返すことによる「汗冷え」
- 波しぶきや雨による「濡れ」
これらに対応したウェアリングシステムを組むことで、快適に磯でヒラスズキを狙い続けることが可能になります。
快適な装備って体力・判断力・集中力を高い水準に保つので大事ですよね。
しんどくて投げなかった1キャスト・時間浪費した無駄打ち・ミスキャストetc…これらによって貴重な一匹との出会いを逃してしまうんだから、対応しない訳にはいきません。
また、ここをおろそかにすると、危険にもつながりますし、せっかく釣れそうな状況なのに中断せざるを得なくなったりします。
「我慢すりゃなんとかなる」と思われがちですが、これも必要不可欠な要素でしょう。
防水性
意図せず波を被ったり、やむを得ず海水に体をつけることがあるため、カメラを水から守る必要があります。
そもそも防水カメラなら何も問題ないですが、できるだけいい写真を撮りたいので、どうしても一眼レフを持ち込みたいんです。
では、これらを具体的な写真撮影機材・ウェア・タックルに落とし込んでいきましょう。
ウェア
磯ヒラのウェアリングシステムは、大きく分けて「ウェットスーツ」と「ウェットウェーディング」の2種があると思います。
※ウェーダーは選択肢に入れちゃダメです。
動きにくいし、危なすぎる。↓の記事にあるような悲しい事故も起きてますので、やめておきましょう。
ヒラスズキ釣りでの事故。
その2種の中で、僕はウェットウェーディングを採用してます。
なるべく水際に近づかないスタイルで釣りをしているため、ウェットスーツほどの水中保温力が必要ないことが大きな理由です。
サーフィンの時に着るのでわかるのですが、ウェットスーツって陸上にいる時間が長いと、熱いし蒸れるしで、これが結構なストレスなんですよね。
そういう理由でウェットスーツは採用していません。
ただ、僕のスタイルでも、ポイントを目指して磯を歩く中で膝まで浸かったり、波しぶきを頭からかぶってしまうことは100%避けることは難しいです。
基本的には水に浸からないが、万一水に濡れても、温かさ・快適さを維持できる最善の案として、ウェットウェーディングシステムを採用しています。
じゃあ、具体的にどんなシステムなのか。
ライフジャケット
Pazdesign/ウェーディングゲームベストV
お値段リーズナブルで収納力も十分なこいつを使っています。
不満なことはペットボトルホルダー。ペットボトルを収納したり取り出したりが難しすぎるため取り外しちゃってます。
そのかわり、MAMMUT/アドオンボトルフォルダーをDカンにつけて使ってます。
シェル(上)
THE NORTH FACE/オールマウンテンジャケット
防水防風性能・透湿性能に加えて、11ftのロッドを体全体を使ってフルキャストしても突っかからない運動性能。
春・秋・冬で活躍するため、ヒラスズキでいうとほぼオールシーズン対応していることになります。
欲をいうと、もう少し耐摩耗性が欲しいかなと。
磯で転倒すると、稀に表面の生地が破けることがあります。(穴は開いたことない)
このオールマウンテンジャケット、登山もやる僕からすればいいアイテムなのですが、この摩耗性のところを考えると、DAIWAやSHIMANO、RBB(リバレイ)といった釣り具メーカーが出しているウェアの方が磯ヒラには最適かもしれません。(2020/02/27追記)
ミドルレイヤー(上)
patagonia/R2ジャケット
適度な保温性があり、通気性・吸湿発散性・撥水性も備えています。
蒸れずらく、汗を吸収しずらいフリースっていう感じ。
ウォータースポーツウエア(上)
finetrack/フラッドラッシュロングスリーブ
撥水性と保温性に優れる、沢登りなどで採用されることが多いウェア。
磯ヒラをしている中では、図らずも頭から波をかぶってしまう時があります。
それにより袖や首元からシェル内部に水が入ってきてしまっても、寒いのは一時的。
少し時間が経つと気にならない程度に温かくなります。
ドライレイヤー(上)
finetrack/スキンメッシュロングスリーブ
ポイントまでいくのがハードになりがちなヒラスズキ釣り。
到着するころにはオーバーヒートで汗をかきまくり、釣りを始めると運動量が減り、強風にさらされて身体が一気に冷え始めます。
このような汗冷えを防ぐことができるのが、汗を肌から引きはがし、発散させる機能に優れるスキンメッシュロングスリーブ。
また、外からの水分は撥水するため、「濡れる」リスクをより低減します。
パンツ
finetrack/ストームゴージュアルパインパンツ
撥水性・防風性・保温性・耐摩耗性・ストレッチ性と、磯ヒラで必要な機能を兼ね備えたパンツ。
ハードな磯歩きで体がオーバーヒートした場合も、リンクベントでパンツ内を換気し、群れを瞬時に逃すことも可能です。
丈の長さによってレギュラー・ロング・ショートの3種類が選べますが、性能を引き出すためにも、ちょっと長いくらいが良いと思います。どれだけ防風・保温性能が優れていても、丈が足りないと意味ないので(・・;)
一度、これを履いた状態で腰下くらいまで浸かったことがありますが、吸水して重くなるようなことは無く、ストレスフリーに釣りを継続できました。
ウォータースポーツウエア(下)
finetrack/フラッドラッシュタイツ
トップスに続いてタイツもフラッドラッシュを採用。
磯でヒラスズキを釣る中で、どうしても水の中に入る機会が出てきます。
そんなケースにおいて、水中保温性能が高いこのタイツが役に立ちます。
ストームゴージュアルパインパンツだけでは、直に水が肌に触れてめちゃくちゃ寒いですが、これがあれば大丈夫。
ドライレイヤー(下)
finetrack/アクティブスキンタイツ
水中に入ることが多い下半身のドライレイヤーは、スキンメッシュでなく、濡れ戻り防止力が高いアクティブスキンを採用。
サイズがあってないのでしょうか。腰部のゴムが体に食い込むこと以外は最高です。
ソックス
リトルプレゼンツ/AC-69 ウエットソックス
磯ヒラで最初に買ったウエットソックスです。
他にも使ったものありますが、これが一番丈夫でコスパも◎です。
ただ、後述しますが、finetrack/ラピッドラッシュソックスを採用してみるか検討中。
インナーソックス
finetrack/スキンメッシュソックス
ウエットソックスのインナーとして使用しているfinetrack/スキンメッシュソックス。
登山であったり、水に全く浸からないシーンでは、靴の中が蒸れずに効果を実感するのですが、水に浸かるシーンのある磯ヒラ・渓流では正直なところあまり効果を感じることがありません。
なので、面倒なときとかはそもそもこれを履かないこともあるくらい。
ただ、沢登りの人たちが使っているケースがあるので、ウエットソックスとの相性に問題があるのかも??
ということで、ウエットソックスをfinetrack/ラピッドラッシュソックスに変更するか検討中。
靴
秀山荘/クライムゾーン スーパープロ IV
リーズナブルな価格と、高性能・高品質なフェルトソール、丈夫なアッパーが気に入ってます。
磯ヒラだけじゃなく、渓流でも大活躍してます。
不満といってもソール交換の手間くらいでしょうか。ただ、丈夫なので交換のペースは1年に1.2回くらいです。
以前は、Kokers(コーカーズ)/レッドサイドを使用していました。ただ、これはソール交換が容易なものの、フェルトソールのグリップ力がイマイチで、ソールの摩耗が早いことが不満でした。しかも、交換用ソールはそこそこの値段がするし、入手が難しかった。。
グローブ
モンベル/ネオプレン スリーフィンガーレス フィッシンググローブ
グローブは、正直なところ十分に納得はしてませんが、安いしこいつを使ってます。
防風性・耐水性・防寒性があって、岩を平気で触れるように厚手の生地で、ルアー交換・キャスティングが用意なものが理想。
みなさんはどんなもの使ってるのでしょうか。よかったら教えて頂きたいです。
撮影機材
撮影機材は、水に弱い物を使っているため、防水性・耐衝撃性のあるバッグ・アクセサリで保護しながら携行します。
また、常時携行するのではなく、ポイントへ行くまで携行し、釣りを始める前にバッグごとおろして水のかからない場所に置いておきます。そして、撮影したいときに取り出してパシャリという使い方をしています。
カメラボディ
Nikon/Df
Nikonのフルサイズ一眼レフ。フルサイズ機にしては軽量なことと、デザインが気に入ってます。
ボディにはシーリングが施されており、そこそこの防塵・防滴性能はあるものの、できるだけ水には近づけてはいけません。
そのため、撮影するとき以外は可能な限り外には出さず、インナーバッグとして緩衝性能のあるLowepro/トップローダーズーム50 AW2に収納し、防水性能のあるpatagonia/ストームフロント・スリング(後述)に入れて保護しています。
レンズ
緩衝性能のあるハクバ/ハードボトムレンズケースに入れた上で、patagonia/ストームフロント・スリングに入れて携行してます。ここで紹介しているものの中から、だいたい2つをピックアップして持っていくことが多いです。
Nikon/AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED
釣りの風景や釣った魚を撮るために広角レンズを。
2018年一番使ったレンズです。
Nikon/AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
入手して1か月くらいですが、↓の写真のように、魚のディティールを撮るために使ってます。
質感まで伝わる絵が撮れるのと、中望遠としても使えるのが気に入ってます。
Nikon/Ai AF 35-70mm F3.3-4.5
祖父にもらった標準域のズームレンズ。
一応カメラバッグに入れていますが、釣りの撮影で使うことはあまりないかも。
街歩きとかでよく使ってます。
カメラバッグ・アクセサリー
バッグ
patagonia/ストームフロント・スリング
patagonia/ストームフロント・スリングに、レンズやアクセサリーを入れることで、水から守っています。
このバッグ、TIZIPを採用したジッパーによって完全防水を実現しているのですが、ちゃんとジッパーを閉めないと浸水するので注意が必要。あと、小さい方のジッパー内部は防水ではないです。
カバー
PeakDesign/SHELL
磯を歩いていると、気づかないうちに、目に見えないような細かい水しぶきを被っていることがあります。不意に雨が降ってくることもあるでしょう。
そういうときのために、カメラには防水カバーを付けるようにしています。
Nikon/Dfの場合は、Mサイズがちょうどいいと思います。
望遠レンズになるとカバーで覆うのは厳しくなってくると思いますが、Df+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED(バヨネットマウント基準面からレンズ先端までが116mm)の組み合わせまでなら問題なく覆えてます。
画像出典:PeakDesignhttps://www.peakdesign.com/
カメラホルダー
PeakDesign/Capture V3
↓のように、patagonia/ストームフロント・スリングにカメラを取り付けて携行するためのホルダー。
移動中は、カメラをバッグの中に入れ、撮影するときだけ取り出すようにしているので、あまり使うシーン無いですが。。登山用に購入して持っているため、一応つけています。
ストラップだけだと、歩いている最中に足にカメラがぶつかったりして邪魔になるので、どうしても移動中に取り出しておきたいという時にだけこれを使っています。
画像出典:PeakDesignhttps://www.peakdesign.com/
ストラップ
PeakDesign/SLIDE
↓の画像みたく、レンズが下に向くようにカメラを携行できるのがいいです。
あと、デザインもシャレオツ。
画像出典:PeakDesignhttps://www.peakdesign.com/
トラベル三脚
VANGUARD/VEO2 264CB
滅多に使うことないですが、余裕があるときには三脚も使います。
購入の大きな理由は、アルカスイス互換であること。
PeakDesign/Capture V3のプレートと互換しているため、最小限の手間で三脚にセットできます。
三脚を装着する手間がかかればかかるほどシャッターを押す機会が少なくなる性分なので、これだけでだいぶチャンスが増えます。
また、カーボン製のため重さが1.3kgと軽量であることと、耐荷重が8kgまであることも気に入っています。
タックル
タックルは色んなものを使うことが多いですが、よく使うものをここでご紹介。
ルアーや細かいギアについては、書き始めると終わりがなくなりそうなので割愛(笑)
気が向いたら追記or別の記事にして投稿します。
ロッド
エバーグリーン/PZS-110 トゥルーキャスター
ヒラスズキにはパワーがオーバースペック気味ですが、足場の高い磯で魚を抜き上げるにはちょうどいいです。
また、固くて張りのあるブランクスのため、10mを超える北西風の中でも振り抜くことができます。汎用性が高く色んなシーンで使えるため、初めての磯ではとりあえずこいつを使っています。廃盤のため、ヤフオクとかで中古で買うしかないです。
参考までに、このロッドが写っている写真を↓に。
リール
シマノ/バイオマスターSW 2013 5000XG
磯にぶつけたり落としたり、浸水したりしても問題なく使い続けられる剛性。
さらに、新品でも2万円以下とお値打ちなので、遠慮することなくガシガシ使えるのが気に入ってます。ただ、デザインがあまり好みではない。。
メインライン
サンライン/キャストアウェイPE(25lb.)
今まで試してきたPEラインの中で一番トラブルが少ない印象。水色がかかった白いラインカラーは、可視性が高くルアーを見失いにくいです。しなやかな手触りが心地良いのも気に入ってるポイント。
リーダー
サンライン/システムショックリーダー FC(30lb.)
当面はこのシステムでいけそう
フリーループノットでルアーを結んでいるため、結びクセが付きにくいフロロカーボン素材に。また、30lbより細くすると結び直しがしにくくなるのでこの太さ。
当面はこのシステムでいけそう
いかがでしたでしょうか。
約一年間、磯だけでなく川でも試してみた結果、このシステムに辿り着いています。
※ちなみに、一度川で水没させた経験もあり、その時は↓のようにして救出してます。ご参考までに(・・;)
画像出典:ニコンイメージング 先日の荘川釣行で川に愛用カメラのNikon Dfを水没・浸水させてしまった僕。 【岐阜一色…
今後も、色々試して改善していきたいと思っているので、細かい修正や発見があれば、その都度本記事を加筆修正、もしくは新しい記事として発表していこうと思います。
また、「こうした方がいいよー!」「自分はこうやってるよー!」などあれば、ぜひとも意見交換させてください。
最後に、磯でのヒラスズキ釣りは非常に危険の伴うものですので、釣果よりも・いい写真よりも「安全第一」で楽しみましょう(*^^*)